大腸がんステージ4(末期)からでも治る可能性をあきらめない

Colorectal cancer

大腸がんは、他のがんと比較し早期に発見できれば、完治する可能性の高いがんです。末期がんであったとしても、治る可能性は否定できません。がん治療が功を奏し、腫瘍が消失することもあるからです。大腸がんをどのようにしたら治せるのか。詳しくお伝えしていきます。

末期、ステージ4の大腸癌(大腸がん)が治る確率を上げる為に知っておくべき事。

末期、ステージ4の大腸癌(大腸がん)が治る確率を上げる為に知っておくべき事。

ステージ4の大腸癌(大腸がん)末期でも治る(完治・寛解)する確率を上げるために、最も重要なことが「がん治療を諦めない」ことです。

「病は気から」という言葉があるように、諦めた時点で人生の終焉へと加速度的に向かいます。

治療を受けていると、気持ちが落ち込んでしまうこともあるでしょう。

鎮痛剤を使っても痛みが強く、どうしようもない気持ちになることもあるでしょう。

気持ちは変化するものですから、一時的に諦めた気持ちを感じたとしても持ち直し、最後まで強い気持ちを保ちながら、がん治療に向かうこと、ご家族の理解を得ることが、末期から治るために必要です。

大腸がんの原因について

大腸がんの原因について

大腸がんの原因として最も有名なのが、食生活の欧米化です。

他にも運動不足や飲酒なども大腸がんの発症に大きく関わっていると考えられています。

また、遺伝的な原因で大腸がんになることもありますので、ご家族(血縁者)の方が、大腸がんに罹患されているのでしたら要注意です。

生活習慣(食事・運動不足・肥満・飲酒・喫煙)

生活習慣(食事・運動不足・肥満・飲酒・喫煙)

生活習慣と大腸がんは、切っても切り離せない関係があります。

特に食生活は、大腸がんの原因になると明確になっていますし、運動不足、肥満、飲酒、喫煙も大腸がんを呼び寄せてしまいます。

食事

加工肉の摂取量を減らし、適切な量のレッドミート(牛肉、豚肉、羊肉など)を摂取するのが大腸がんのリスクを減らすようです。

2015年10月26日に、世界保健機関(WHO)の研究機関である国際がん研究機関(IARC)が、大腸がんの発症リスクを増加するものとして「ベーコンやソーセージなどの加工肉をヒトに対して発がん性のあるグループ1に」「レッドミートをヒトに対しておそらく発がん性のあるグループ2A」に分類することを公表しました。

だたし、WHOは2023年7月に「健康及び環境の観点から見たレッドミートと加工肉に関する情報冊子」でレッドミートの消費量は成人で週に98g~500gとしていますし、2015年10月29日にWHOは、「加工肉を一切食べないよう求めるものではなく、加工肉の摂取を減らすことで大腸がんのリスクを減らせることを示したもの」とLinks between processed meat and colorectal cancerでコメントしています。

一方で食物繊維や野菜、果物の摂取は大腸がんの予防要因と考えられています。

野菜・果物にはビタミンC、種々のカロテノイド、葉酸、フラボノイド、ヨウ素などがん抑制作用をもつ成分が含まれているためです。

穀類や豆類、野菜、果物は大腸がんのリスクを減らしますので、積極的に食べるようにしましょう。

運動不足

世界的には、運動不足になると大腸がん(結腸がん)になることが確実とされておりますので、運動不足は大腸がんを呼び寄せてしまいます。

どの程度の運動が大腸がんを遠ざけるのかは、判明しておりませんが、1日3時間以上の運動が必要そうです。

研究によっては、運動不足と大腸がんの関係がはっきりしていないものもありますが、運動不足は大腸がんのリスクを高めることは間違いないようです。

肥満

肥満も大腸がんのリスクを高める重要なポイントのひとつとされています。

ご存じのように、運動不足と肥満は切っても切り離せない関係です。

男性の肥満は、女性よりも大腸がんのリスクを高めてしまうといわれていますので、要注意です。

具体的には、体重(kg)を身長(m)の2乗で割って求められるBMI値が25以上になりますと、大腸がんになる可能性が高まります。

170cmで72.3kgのときBMIは25です。

飲酒・喫煙

大腸がんのリスクとして最も確実といわれているのが、飲酒と喫煙です。

原因は不明ですが、日本人は欧米人に比べ飲酒と大腸がんの関連が強く、ある研究によると大腸がんの男性の25%が、アルコール23g(日本酒1合、ワイングラス2杯、ビール633m)以上の飲酒をしていたそうです。

また、喫煙は大腸がんに限らず、さまざまながんの原因です。

もし喫煙も飲酒もしないのなら、大腸がんの46%は予防できたという研究もあります。

なお、喫煙が直接的に大腸がんになるという研究は少ないため、今後の研究が望まれています。

遺伝的な要因

遺伝的な要因

大腸がんの約5%は遺伝的な要因で「遺伝性大腸がん」といいます。

遺伝性大腸がんは、血縁者(親、兄弟、いとこなど)に高頻度で発生しています。

すべての大腸がんの20〜30%は、ご家族(近親者)の複数の方が大腸がんになっているものの、原因となる遺伝子との関係がわかっておりません。

まだ、遺伝子との関係がわかっていない大腸がんを「家族性大腸がん」または「家族集積性大腸がん」といいます。

残り70%程度の大腸がんは「散発性大腸がん」といい、後天的な遺伝子の変化によるものですので、親から子に遺伝することはありません。

なお、「遺伝性大腸がん」と「家族性大腸がん」をまとめる考え方もありますので、ご注意ください。

環境的な要因

環境的な要因

大腸がんを引き起こしやすくなる疾患として、「家族性大腸腺腫症」略称FAPがあります。

家族性大腸腺腫症は大腸全体に良性のポリープ(腺腫)が多数(通常100個以上)発生する病気で、治療をせずにそのままにしておくと、高い確率で大腸がんを発症します。

家族性大腸腺腫症は、APCという遺伝子の変異が原因です。

また、リンチ症候群も大腸がんの発症リスクを高めます。

リンチ症候群は、私たちが生まれながらに持っている遺伝子の変異によって発症し、大腸がんだけではなく、子宮体がん(子宮内膜がん)、卵巣がん、胃がん、小腸がんなども発症しやすくなります。

大腸がんの罹患率。年齢・性別との関係は?

大腸がんの罹患率。年齢・性別との関係は?

「遺伝性大腸がん」の場合、40歳未満で発症しやすく、大腸がんが繰り返しできやすい、同時に2つ以上の大腸がんができやすい、大腸以外の部位にもがんができやすい、ポリープができやすいといった特徴があります。

「遺伝性大腸がん」以外の大腸がんの場合、40歳を超えてくると増えてきます。

生涯で大腸がんに罹患する確率は、男性で10.3%、女性で8.1%ですので、男性では10人に1人、女性では12人に1人の確率で大腸がんに罹患します。

患者数で比較しますと、男性の方が女性よりも多く罹患し、がんの原因で亡くなる方でみますと、男性では2位、女性では大腸がんが1位となります。

男性、女性問わず、2番目に多いがんが大腸がんですので、性別を問わず罹患する可能性があるといっていいでしょう。

大腸がん(直腸がん・結腸がん)の種類と症状

大腸がんの多くは、腺がんと呼ばれるがんです。

また、がん細胞が発生した場所によっても、直腸がんや結腸がんのように部位別に分けることができます。

大腸がんの種類

大腸がんの種類

大腸がんの種類は、大きく直腸がんと結腸がんに分けられます。

小腸に続いて、お腹の右下からぐるりと大きく回って肛門につながっているのが大腸です。

大腸は、結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸(直腸S状部、上部直腸、下部直腸)に分けられています。

医師は大腸とまとめて言うのではなく、結腸や直腸と細かく分けて言うことが多いので、誤解しないように注意しましょう。

また、大腸がんの組織の状態による分類もあります。

大腸がんのほとんどは「腺がん」です。

「腺がん」とは、身体を構成している組織のひとつである腺組織とよばれる上皮組織から発生するがんです。

がん細胞が腺腔を形成しているもので、粘液が多くみられます。

「腺がん」は大腸に限らず、肺や胃などにも発生しますので、誤解しないようにしましょう。

さらに「腺がん」は、がん組織の状態により、乳頭腺がん、管状腺がん、低分化腺がん、粘液がん、印環(いんかん)細胞がん、髄様(ずいよう)がんに、分けることができます。

「腺がん」の他には、「扁平上皮がん」「腺扁平上皮がん」などがあり、「神経内分泌腫瘍(NEN)」「間葉系腫瘍(GIST)」「リンパ腫」などの腫瘍もあります。

大腸がんの代表的な症状

大腸がんの代表的な症状

大腸がんの初期症状は、ほとんど自覚することができません。

代表的な自覚症状として、下記があげられています。

どのような症状が出るかは、大腸がんの発生した部位により異なります。

まだ柔らかい状態の内容物である大腸の入り口側である盲腸や上行結腸、横行結腸では、貧血や腹部のしこりといった症状が多くみられ、大腸の内容物が固まってくる下行結腸やS状結腸、直腸では、血便や便の通りが悪くなることで腹痛、嘔吐がおこりやすいです。

もちろん、症状には個人差がありますので、他の症状が出ることもあります。

早期大腸がんと進行大腸がんの症状と違い

早期大腸がんと進行大腸がんの症状と違い

ほとんどの早期大腸がんの症状は、無症状で自覚することはありません。

大腸がんが進行するにしたがって症状が出てきますので、定期健診で大腸がんの検査が重要になってきます。

また、かなり進行するまで、何の症状もない方もいらっしゃいます。

一方で、大腸がんが進行しステージ4(Ⅳ期)となると、がん細胞が大きくなってしまい、便が通らなくなり腹痛や嘔吐などの症状が出る「腸閉塞」が出てくることがありますし、がん細胞が大腸の周囲にある腹膜まで広がる「腹膜播種(ふくまくはしゅ)」になると、お腹が膨らみ、腹水が溜まるなどの症状が出てきます。

大腸癌と腸閉塞・腹水の症状と適切な対処法

大腸癌と腸閉塞・腹水の症状と適切な対処法

大腸がんが進行し、大腸が詰まってしまう状態のことを「腸閉塞」といい、閉鎖性大腸がんといいます。

腸閉塞の症状は、吐き気、嘔吐、満腹感、腹痛、便秘、おならが出ないなどがありますが、大腸がんに限りません。

大腸がんが原因ではない腸閉塞の場合は、腸の内容物を吸引する方法や、手術治療を行います。

大腸がんが原因の場合は、一概にいえませんが、大腸の中を広げる大腸ステント留置術(手術)や、大腸を切除し人工肛門にするなどの治療法があります。

大腸がんの10%の方に腸閉塞が初期症状として来院している病院もありますので、怪しいなと思ったら、すぐに病院に行くようにしましょう。

また、大腸がんが進行すると、腹水という症状が出てきます。

腹水とは、腹腔(ふくくう)と呼ばれるお腹の内側に体液が過剰に溜まってしまうことをいいます。

通常でも体液は20〜50mlあるのですが、大腸がんなどの原因で過剰に体液が溜まってしまった状態です。

腹水が溜まってくると、次のような症状が出てきます。

大腸がんで腹水を単純に抜いてしまうと、血圧低下や栄養不足などを引き起こしますので、慎重な判断が求められます。

一般的には、下記の対処法を行います。

大腸癌(大腸がん)のステージ別の症状と生存率、余命

大腸癌(大腸がん)のステージ別の症状と生存率、余命

大腸がんは進行度に応じて、ステージ0からステージ4に分けることができます。

大腸がんの場合、下記の3つがステージの指標です。

  1. どのくらいがん細胞が大腸に広がっているか
  2. リンパ節転移の有無
  3. 他の臓器への転移の有無

具体的には、次のように分けられています。

大腸がんの一般的な生存率と余命

大腸がんも他のがんと同じように、ステージが低いほど生存率が良く、余命も長くなります。

ステージ0(0期)であれば、5年生存率は93〜98%と高く、ステージ4(Ⅳ期)となると、15%〜20%と低くなりますので、進行するに従い余命も短くなります。

大腸がんステージ0(0期)

がんが、粘膜にとどまっているステージ0(0期)の大腸がんは、便に血が混じる(血便)や、便秘と下痢を繰り返す(便通異常)、細い便になる、残便感(便が残った感じ)という症状が多いですが、基本的に自覚症状は、ほぼありません。

便潜血検査などを通して、大腸がんが見つかった場合、内視鏡で手術し取り除くことが多いです。

しかし、すべての早期がんを内視鏡で切除できませんので、がん細胞が大きくなっていた場合や場所によっては、開腹手術が選択されることもあります。

大腸癌研究会の調べによると、結腸がんステージ0の5年生存率は93.0%、直腸がんステージ0の5年生存率は97.6%と高くなっています。

大腸がんステージ1(I期)

ステージ0よりも大腸に少し深くがんが成長し、固有筋層(大腸の筋肉層)までに、広がった(浸潤:しんじゅん)状態がステージ1(I期)です。

ステージ1(I期)の症状は、次のとおりですが、自覚症状が全くない方もいらっしゃいます。

ステージ1(I期)の場合、開腹手術が選択されることが多いのですが、がん細胞の大きさによっては腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術や内視鏡での手術となることがあります。

また、進行度によっては、抗がん剤を手術後に使うこともあります。

大腸癌研究会の調べによると、ステージ1(I期)の5年生存率は、結腸がんで92.3%、直腸がんで90.6%です。

大腸がんステージ2(II期)

リンパ節転移がなく、固有筋層(筋肉の層)を超えて癌が広がったのがステージ2(Ⅱ期)の大腸がんです。

癌が直接他の周辺臓器に広がって(浸潤:しんじゅん)した状態もステージ2(Ⅱ期)に含まれます。

症状は他のステージと共通していますが、腸内での出血が顕著になるため、便に血が混ざる血便が多くみられます。

さらに、慢性的な腹痛、貧血などもみられるようになります。

治療法は開腹手術が選択され、病変のある部位の他、転移の可能性のあるリンパ節を切除します。場合によっては、腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術が選択されます。

再発リスクが高い場合は、手術後に抗がん剤で治療します。

大腸癌研究会の調べによると、ステージ2(II期)の5年生存率は、結腸がんで85.4%、直腸がんで83.1%です。

大腸がんステージ3(Ⅲ期)

リンパ節転移のあるステージ3(Ⅲ期)の症状は、血便、変形便や便秘、下痢、貧血、体重減少などです。

治療は、開腹手術または腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術が選択され、手術後に抗がん剤での治療を行います。

リンパ節転移がありますので、微細となったがん細胞を取り残さないように、周辺部位まで手術で取り除く必要がある他、手術後の抗がん剤で再発を予防します。

大腸癌研究会の調べによると、ステージ3(Ⅲ期)で癌が固有筋層(筋肉の層)までに収まっており、リンパ節転移が少ないステージⅢaでの5年生存率は、結腸がんで80.4%、直腸がんで73.0%です。

リンパ節転移が多くなってきたステージⅢbでの5年生存率は、結腸がんで63.8%、直腸がんで53.5%です。

大腸がんステージ4(Ⅳ期)・末期の大腸がん

ステージ4(Ⅳ期)の大腸がんの症状は、腸管からの出血とそれに伴う貧血・腹膜播種(ふくまくはしゅ)・腸閉塞・他臓器への転移がみられるようになります。

場合によっては転移したがんから、大腸がんが原発(最初にがんが発生した場所)として発見されるケースもあります。

大腸癌研究会の調べによると、ステージ4(Ⅳ期)の5年生存率は、結腸がんで19.9%、直腸がんで14.8%です。

大腸がんステージ4(Ⅳ期)・末期の大腸がんから完治できる?

厚生労働省によるとがんの末期とは「悪性新生物(がん)であると診断され、治癒を目指した治療に反応せず、 進行性かつ治癒困難な状態にあるもの」を指します。

一般的に、医師は治療ガイドラインに沿った診断、治療をしますので、治療ガイドライン上で「これ以上は治療し完治できない」「治療では治しようがない」と医師が判断したときに末期として診断されますので、ガイドライン外の治療方法は考慮されません。

ステージ4(Ⅳ期)や末期であっても、一般的な治療法だけではなく、統合医療など視野を広く持つことで、完治できる可能性が広がります。

末期がんで余命宣告されてから治る事例も多数。
余命は創りだすもの

大腸がんの進行速度と自覚症状ついて。 疾患への理解

大腸がんの進行速度と自覚症状ついて。 疾患への理解

多くの大腸がんの進行速度は遅いと考えられています。

また、大腸がんの自覚症状は、胃腸炎など他の病気と同じため、見逃してしまうこともあります。

大腸がんを見逃さないためにも、大腸がんを完治させるためにも、疾患への理解を深めていきましょう。

大腸癌の初期症状と診断。気づくきっかけは?

大腸がんの自覚症状は、ある程度進行してから現れることが多いため、自覚症状だけに頼っていると、発見できません。

血便や下痢、便秘などの異常がみられた場合には、早急に消化器科に行くようにしましょう。

血便と言われても、血の量が少なければ、便の状態を見ただけではわかりません。

健康診断のときに受ける「便潜血検査」で陽性となり大腸がんを発見されることが多いです。

また、便秘しがちな女性は「いつもの便秘」と油断し、大腸がんの発見が遅れやすく、頻繁に下痢をしている男性も「またいつもの下痢か」と考えて、受診が遅れ大腸がんが進行してしまうことが考えられます。

下痢や便秘で普段から病院にいっており、内視鏡検査で見つかるケースもあります。

さらに、大腸がんが進行し、腸閉塞となってから見つかる方もいらっしゃいます。

大腸がんの一般的な進行速度

大腸にポリープと呼ばれる「いぼ」の様な隆起性の病変が、大腸がんの原因のひとつです。

ポリープには腫瘍(しゅよう)性、炎症性、過形成性といった種類があり、大きさは1mm〜数cmと様々です。

腫瘍性ポリープが数年間かけて成長し、大腸がんとなります。

腫瘍性ポリープ以外から大腸がんになるケースも増えていますが、大多数は腫瘍性ポリープから大腸がんになります。

ポリープから大腸がんになるまで3年くらい。

ステージ0期からステージI期くらいまでが、年単位での進行。

ステージが進むにつれて進行速度が早くなり、進行がんと呼ばれる状態になると半年単位、月単位と短くなり、末期では月〜週単位で進行するとされています。

大腸がんの進行速度と自覚症状の関係。自覚症状が現れるまでの時間は?

大腸がんが自覚症状から見つかる場合、血便や下血が多いのですが、大腸がんが進行しステージが2〜3を超えてこないと、自覚できないケースが多いです。

大腸がんの前の段階、ポリープが大腸がんになるまで2年〜3年かかり、ステージが上がるまで数年必要ですので、自覚症状が現れるまで5年程度の時間がかかると予想されます。

さらに大腸がんが数年単位で進んでいくと、自覚症状がはっきりしてきますが、ステージ4(Ⅳ期)になるまで、全く自覚症状が現れない方もいらっしゃいます。

進行速度と余命予想の関連性

がんの進行速度は、ステージが低い程、ゆっくりです。

進行速度がゆっくりなため、余命も長くなります。

またステージ0期やステージI期でしたら、手術で大腸がんを全て摘出できますので、大腸がんでない方と同じ程度の余命と考えて間違いありません。

他の病気による死亡を除いた生存率である5年相対生存率でみますと、年単位で進行するステージⅡ期では88%程度、リンパ節転移のあるステージ3(Ⅲ期)では77%、他の臓器へ転移するステージ4(Ⅳ期)では、19%となっています。(国立がん研究センターによる)

大腸癌が手遅れになる症状

大腸癌の自覚症状は、ほとんど感じないことが多く、出現したとしても見逃されてしまうことも多いため、はっきりと自覚症状が出たときには手遅れになっているケースが多いです。

大腸癌に限ったことではなく、多くの癌ははっきりとした自覚症状があるときは手遅れになっています。

とはいえ、完治を諦める必要はありません。

自覚症状を正しく理解する

大腸がんの自覚症状は、他の病気や体調の変化で出ることもありますので、大腸がんを考えておかないと、見逃してしまいます。

次のような症状は、大腸がんを疑ってみましょう。

以上のように、大腸がんの症状は他の病気と区別しにくいものが、ほとんどです。

大腸癌の再発と転移しやすい部位

大腸癌は、手術から数ヶ月から数年かけて再発することがあります。

再発の原因の多くは、とてもとても小さな癌を手術で完全に取り除けなかったためです。

大腸癌ガイドラインによると、再発のうち約80%の方が手術後3年以内、95%の方が手術後5年以内に見つかっています。

また、進行したがんほど再発リスクは高くなります。

ステージ0期では再発リスクはほぼなく、ステージⅠ期では約6%、ステージⅡ期では約15%、ステージⅢ期では約30%です

大腸がんの再発と頻出する症状

大腸がんの再発と頻出する症状

大腸癌の再発には、大きく3つの種類があります。

局所再発は、がんのあった場所の近くでがんが再発することです。

結腸がんの局所再発割合は、1%以下と非常に低く、直腸がんの局所再発割合は10%と高くなっています。

手術で大きく切除できるためがん細胞を取り残すリスクが少ない結腸がんに比べ、骨盤の近くにあり手術難易度が高い直腸がんは、どうしてもがん細胞を取り残すリスクが高くなります。

例えば、肛門まで3cm程度しかない直腸がんの場合、排便機能を残すため、ギリギリの距離で切除する必要があります。

局所再発の症状は、血便や肛門周辺の痛み、がんが大きくなり坐骨神経を圧迫すると坐骨神経痛などがあります。

がんは進行すると症状が現れますので、症状を感じる前に再発を見つけることが重要です。

腹膜播種(ふくまくはしゅ)は、大腸の外側にある腹膜(ふくまく)という膜に、大腸由来のがん細胞が広がってしまった状態です。

腹膜播種は手術で取り除くことができないため、化学療法が治療のメインです。

腹膜播種は発見しにくく、「がん性腹膜炎」になると腸管が狭くなり腸閉塞を起こしたり、腹水を起こしたりします。

がん性腹膜炎の症状は、腹水、吐き気・嘔吐、腹痛、尿閉、黄疸などです。

遠隔転移は、大腸以外の臓器にがんが転移し再発したものです。

最も遠隔転移しやすい臓器は肝臓で、大腸がんの手術を受けた人の7.1%に肝臓での再発がみられます。

肝臓の次に遠隔転移しやすい臓器は肺で、手術を受けた人の4.8%に肺での再発がみられます。

遠隔転移での再発の場合、手術可能かどうか判断され、切除不可能の場合は薬物療法や放射線療法、対処療法が行われます。

なお、切除不可能であったとしても、抗がん剤での治療の結果、切除可能に変わることもあります。

>再発癌が治る確率とその可能性

大腸がんの最も一般的な転移先とその特徴

大腸がんの主な転移先です。

がんの転移は、がん細胞が血液と一緒になって流れることで発生します。

血液の流れに乗ってがんが転移することを「血行性転移」といいます。

大腸で吸収された栄養は、大腸と肝臓を繋いでいる門脈という血管を通り、肝臓に送られています。

門脈の流れに大腸がんのがん細胞が乗り、がん細胞が肝臓に届き、肝臓で大きくなるのが肝転移です。

肝臓に血液が流れた後、血液は心臓を通り肺に向かいます。

この流れに乗って、肺にもがんが転移します。

さらに、脳へとがん細胞が運ばれますと、脳にも転移します。

脳転移は肝転移や肺転移よりも後になることが大半です。

大腸がんが原発で、他の臓器へ転移した場合、手術で取り除くことができるのであれば、手術を行い、難しい場合は、熱凝固療法や肝動注療法(肝転移)、放射線治療(脳転移)、化学療法(全ての転移先)が行われます。

肝転移の場合、体力があり、技術的にがんを取り除くことが可能で、肝臓を30%以上残すことができるときに手術が選択され、術後の3年生存率が54.4%、5年生存率が42.1%です。

およそ半数の方が手術を選択されています。

また、肝転移で手術後に再発することもあり、2回、3回と手術するケースもあります。

肺転移も肝転移と同じように、手術を選択されるケースもありますが、30〜40%程度に留まります。

>転移癌が治る確率とその可能性

大腸癌の症状チェックをしよう!検査方法について

大腸癌が進行してからでないと、自覚症状は出現しないことが多いため、検査で大腸癌を見つけることが大切です。

早期診断の重要性と早期発見・治療のための自己チェック

大腸癌は早期であれば、5年生存率が非常に高く、完治を目指せます。

大腸癌を自覚症状から早期発見することはできませんので、定期的な検査が重要です。

40歳を超えたら、便潜血検査を年1回少なくとも2年に1回は受ける.大腸癌リスクが高い方なら、大腸内視鏡検査を2年に1回受けることが早期発見につながります。

手術歴などで大腸内視鏡検査を受けられない方は、大腸CT検査など代替手段がありますので、よく検討しましょう。

大腸癌早期発見・治療の自己チェックリスト

以下のチェックリストに該当する場合は、大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。

便潜血検査

便潜血検査とは、便の中に血液が混ざっていないかどうかを調べる検査です。

大腸がんの検査として、健康診断で実施されていますので、受けたことのある方も多いのではないでしょうか。

便潜血検査の結果は、便の中に血液が混ざっている陽性と、血液が混ざっていない陰性の2つです。

問題になるのは、陽性のときで、内視鏡による精密検査が必要です。

便潜血検査で大腸がんが100%診断できるのではなく、便潜血検査で陰性であっても大腸がんである可能性は否定できません。

なお、便潜血検査で陽性になるのは、大腸がんの他、下部消化管(主に大腸)の潰瘍、ポリープ、炎症性腸炎、痔などがあります。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査とは、直径1cmくらいの内視鏡を肛門から入れて、大腸の一番奥(盲腸)まで挿入し、大腸の病気を直接観察する検査です。

大腸内視鏡検査では、大腸がんの他、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、大腸憩室症などがわかります。

また、ポリープや癌の疑いがあった場合には、組織の一部を採取したり、ポリープを切除したりすることもできます。

大腸内視鏡検査は、前日から準備が必要です。

一般的には、前日から食事制限があり、検査当日は腸を綺麗にするために下剤や洗腸液を内服していただく必要があります。

施設によっては鎮痛剤の使用や、腸管を広げるために使う空気の変わりに二酸化炭素を用いていることもあります。

検査自体は10分程度ですが、準備を含めると前日から2日間、検査に時間を取られます。

大腸内視鏡検査が痛みなどで、できなかった場合は、カプセル型の内視鏡を飲んでいただき検査する大腸カプセル内視鏡が適応になることがあります。

直腸指診

直腸指診

直腸がんの8割を発見することができるとされている検査が、直腸指診です。

直腸がんの他、膀胱や子宮、卵巣、前立腺の異常も調べることができます。

直腸指診は、手袋をして麻酔ゼリーを使用し、肛門から10cmくらいまで、指を入れて直腸を検査します。

似たような検査に、肛門直腸鏡検査があります。

肛門直腸鏡検査は、肛門に長さ10cm程度の肛門鏡を挿入し、直腸内を直接観察する検査法です。

直腸指診と肛門直腸鏡検査は、下剤の服用が必要ないため、比較的簡単に行えますが、検査できる範囲に制限があります。

このため大腸全体の検査が必要な場合は、大腸内視鏡検査を実施します。

大腸CT検査

大腸CT検査

大腸CT検査(CTC:CTコロノグラフィ)とは、大腸に二酸化炭素(炭酸ガス)を注入した状態で、CT撮影を行い、三次元映像化することで大腸を検査します。

大腸内視鏡検査と比べ、苦痛が少ない、腸のヒダ裏側まで確認可能といったメリットがある一方で、X線を使用するため放射線被ばくのリスク、平坦な病変や、5mm以下のポリープは検出できないなどのデメリットがあります。

大腸内視鏡検査と同じように前日に検査食を食べ、バリウムを飲む必要がありますが、大腸内視鏡検査よりも下剤の量が少なくて済みます。

大腸X 線バリウム検査

大腸X 線バリウム検査

大腸X 線バリウム検査とは、肛門からバリウムと空気を入れて体を回転させながら、大腸をX線撮影(レントゲン)する検査です。下部消化管造影検査(注腸造影)と呼ばれることもあります。

検査時間は20分程度ですが、検査2、3日前から下剤を服用し、前日は検査食と食事制限があります。

病院によっては前日からの準備となることもあるようです。

大腸X 線バリウム検査のメリットは、痛みがほとんどないこと、病変部位の特定が簡単、大腸狭窄などで大腸内視鏡検査ができない方でも検査可能な点です。

デメリットとしては、平坦な病変を見つけにくい、放射線被ばくがある、S状結腸など屈曲が強い場所ではレントゲン撮影が重なりやすく、がんを見逃しやすくなる点です。

MRI検査

MRI検査

大腸MRI検査は、磁力と電磁波を使って臓器の断面写真を撮影する検査です。

大腸がんの他、腸閉塞などの腸疾患を発見するのに適しています。

また、大腸がんの広がりを調べることができるため、リンパ節や肝臓などに転移していないか、がんの再発の確認にも用いられる検査です。

MRI検査時に大きな音が出ること、狭いスペースに入る必要があること、体を動かさないようにすることなど注意点があるため、苦手な方もいらっしゃいます。

検査の目的によっては造影剤を使用することもあります。

PET検査

PET検査

PET検査とは、陽電子放射断層撮影の略称で、ブドウ糖を大量に消費するがん細胞の特徴を利用した検査です。

CT検査やMRI検査は臓器の形から異常を発見しますが、PET検査では細胞の活動から異常を発見します。

PET検査では、がん細胞に集まりやすいFDGという薬剤を体内に入れて、全身を撮影しFDGの集まっている場所を探します。

小さながんの発見に優れていますが、大腸を含む消化器は活動が活発なためFDGが自然に

集まってしまうため、異常があるからといって大腸がんとは断定することはできません。

PET検査とCT検査を同時に行うことで、検査精度を高めている病院もあります。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカーとは、がん細胞によって作られる物質のことで、がんの種類や臓器ごとに特徴があります。

大腸がんでは、血液中のCEA、CA19-9が腫瘍マーカーで、この腫瘍マーカーを調べるのが腫瘍マーカー検査です。

ただし、腫瘍マーカーだけではがんの有無やがんの進行、詳細な場所を特定することはできないため、注意が必要ですし、がん細胞が存在していても腫瘍マーカーの値が高くならないこともあります。

大腸がんでは、手術後の再発や薬物療法の効果判定の補助として使われています。

大腸癌治療の方法と費用感

大腸癌は、男性、女性ともに2番目に多いがんということもあり、様々な治療法が確立されており、新しい治療法も研究されています。

費用も非常に差が大きく、一概にいうことはできません。

しかしながら、高額となるケースが多いので、高額療養費制度の対象になるかの確認などをするようにしましょう。

なお、受ける治療方法が高額療養費制度の対象になるかは、病院で教えてくれることが多いです。

内視鏡治療

内視鏡治療

大腸癌の内視鏡治療は、肛門から内視鏡を挿入して行います。

多くの場合、前日から入院して実施しますが、状況によっては外来で実施するケースもあります。

大腸を含む消化管の内視鏡治療には、「内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)」「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」の3種類あります。

ポリペクトミーは、内視鏡の先端からスネアと呼ばれるワイヤーを出して、スネアを病変の根本にかけ締め付け、高周波電流で焼き切るか、そのまま切り取ります。

EMRは、がんの下に生理食塩水などを注入し、がんを浮き上がらせた後、内視鏡の先端からスネアを出して、スネアを病変の根本にかけ締め付け、高周波電流を使って切除します。

ESDは、EMRでは取り除くことができないがんを切除する方法です。

がんの下に生理食塩水やヒアルロン酸ナトリウムなどを注入し、がんを浮き上がらせた後、がんの周りを高周波ナイフで切開し、がんを切除します。

3割負担の場合、ポリペクトミーとEMRは約2〜2.6万円、ESDは約7万円です。

手術治療

手術治療

お腹を切開しがんを摘出するのが手術治療です。

お腹に5〜12mm程度の小さな穴を3〜5箇所程度開けて、腹腔鏡(内視鏡)と鉗子(かんし)と切除器具を入れて、モニターを見ながらがんを切除する腹腔鏡(ふくくうきょう)手術、ロボットを使った手術、従来からあるお腹を開く開腹手術があります。

どの手術になるかは、病状や進行状態、体の状態などを考慮し決定されます。

腹腔鏡手術は痛みが少ない、治りが早いなどのメリットがありますが、開腹手術に比べ手術時間が長くなり費用も高額になる傾向があります。

費用は3割負担で30〜50万円(約2週間入院)です。

また、手術後にがんの再発を防ぐため、薬物療法(抗がん剤治療)を実施した場合は、その分の費用が加算されます。

薬物療法(抗がん剤治療)

薬物療法(抗がん剤治療)

大腸癌の薬物療法は、外来で行うことが多くなってきました。

大腸癌に対する薬物療法は「抗がん剤」と、癌の持つ特徴を狙い撃ちにする「分子標的薬」の組み合わせで成り立っています。

大腸癌に用いられる抗がん剤は、5-FU系(5-FU、UFT、S-1、カペシタビン)、オキサリプラチン、イリノテカンなどがあり、5-FU系がメインになることが多いです。

大腸癌に用いられる分子標的薬には、抗EGFR抗体と血管新生阻害剤と呼ばれる抗体の大きく2つに分けることができます。

薬物療法を始める前にRAS遺伝子検査、BRAF遺伝子検査などのバイオマーカ検査を行い、使用する薬剤を選択、治療効果を評価しながら治療を実施します。

なお、どのようなお薬をどのような組み合わせで、どのように投与するかを「レジメン」といいます。

大腸癌には、多数のレジメンがあります。

費用はレジメンによって大きく異なり、3割負担で1ヶ月あたり3万円から30万円程度とかなりの差があります。

>抗がん剤の副作用について

放射線治療

放射線治療

大腸癌を手術で摘出できない場合に選択されるのが、放射線治療です。

直腸がんに於いては、手術前に放射線治療でがん細胞を小さくする目的などでも実施されています。

直腸がんは、場所的に手術でがん細胞を全て摘出するのが難しいため、放射線治療(術前放射線療法)、抗がん剤治療、手術の順番で実施する方法が、近年増加しています。

放射線治療と薬物治療を併用する治療法を化学放射線療法といいます。

また、最新医療として陽子線や重粒子線を用いた治療も行われており、2022年4月から「再発大腸がんで手術が適応にならない場合」に保険適応となりました。

放射線治療による副作用として、皮膚炎、全身の疲労感、だるさ、食欲不振、白血球数減少、直腸炎、膀胱炎などがあります。

放射線治療の費用は、3割負担で15万円から20万円。陽子線や重粒子線(炭素イオン線)で先進治療となった場合は300万円ほどかかります。

免疫療法

免疫療法

免疫療法とは、ヒトの身体に備わっている免疫の力を利用する治療法です。

例えば、風邪をひくと免疫が強まり、ウイルスを排除し体を守ってくれます。

細菌やウイルスと同じように、がん細胞も免疫によって攻撃してくれています。

免疫細胞には白血球のひとつである単球や好酸球などがありますが、がん細胞を攻撃してくれるのはT細胞(Tリンパ球)です。

がん細胞はT細胞の働きにブレーキをかけてしまうことがあるため、がん細胞をT細胞が攻撃してくれなくなってしまいます。

免疫療法の多くは、T細胞の力を強めるか、がん細胞によって攻撃のブレーキをかけられてしまうのを防いでくれます。

研究中の免疫療法もあるため、今後増えてくることが予想されますが、大腸癌に対して効果があると証明された免疫療法は、2022年10月の時点で「MSI-High(高頻度マイクロサテライト不安定性)の場合に免疫チェックポイント阻害薬を使用する治療法」のみです。

MSI-Highかどうかは、採取したがん組織のDNAを調べる「MSI検査」で確認します。

大腸癌の免疫チェックポイント阻害薬は「オプジーボ」というお薬で、T細胞にかけられた免疫のブレーキを外してくれます。

なお、副作用などがありますので、慎重に行う必要があります。

オプジーボは家を購入できるくらい非常に高額なお薬でしたが、度重なる薬価基準改定で引き下げられており、当初の価格よりも随分とお安くなりました。

オプジーボ以外の免疫療法は自由診療となり、費用は300万円ほどかかります。

統合医療・自然療法

統合医療・自然療法

統合医療とは、抗がん剤による薬物療法に代表される西洋医療と、漢方薬に代表される東洋医療など様々な医療を組み合わせた理想的な医療のことです。

統合医療や自然療法を使った大腸癌の治療法も存在します。

組み合わせた医療ですので、抗がん剤や手術、放射線治療と統合医療を組み合わせることも可能です。

大腸癌の治療に行き詰まってしまったら、採用したい治療法ですし、早期の大腸癌のときから統合医療を治療に組み込むことで、再発の予防にも役立ちます。

統合医療・自然療法の費用は、免疫療法よりも低額です。

手術を受けられない大腸がんの状態と対処法は

手術を受けられない大腸がんの状態と対処法は

再発や進行がんで、がん細胞が全身に転移しているときや、がん細胞の位置が手術では取り除くことができない場合など、がん細胞を取り除く手術を受けられないことがあります。

大腸がんの治療は、まだまだ研究途上であり、新たな治療法も誕生しています。

原発巣や転移巣の両方とも手術で取り切れない場合

再発などで、手術ではがんを取りきれない場合や、手術に耐えられるだけの体力がない場合など、手術ができないことがあります。

特に、直腸がんでは、肛門や生殖器、骨盤などが付近にあるため、手術の難易度が高いです。

そこで、手術の前に放射線治療、抗がん剤治療を行い、がん細胞が小さくなった時点で、手術を実施することもあります。

また、全身に転移してしまっている場合は、抗がん剤治療が選択されることが大半です。

「抗がん剤治療しか方法がありません」と言われても、完治を諦める必要はありません。

大腸内視鏡で摘除できない場合

大腸内視鏡で摘出できる大腸癌は、早期がんの一部です。

がんの形状が大腸内視鏡だけでは摘出できない状態や、大腸癌が大きくなっている状態のときは、手術が選択されます。

手術ができない場合は薬物療法または放射線治療しかないのか?

手術ができない場合、抗がん剤による薬物療法や放射線治療だけではなく、免疫療法も選択肢のひとつです。

がんが進行してくると、本来ならがん細胞を攻撃してくれるT細胞という免疫細胞が、がんを攻撃してくれなくなってしまいます。

T細胞を含めた免疫細胞を動かして、免疫の力でがん細胞を攻撃する方法もあり、実際に効果が出ています。

他にも統合医療があります。

統合医療とは既存の医療に東洋の医療など、効果の高い治療方法を組み合わせたものです。

良いとこ取りの統合医療は、大腸がんの治療に非常に高い効果を出しています。

抗がん剤などの副作用が強く、辛いと感じていらっしゃる方にも、おすすめの方法が統合医療です。

>末期がんも治る時代。末期がんで余命宣告されてから治る事例も多数

大腸がんの末期における食事の注意点

大腸がんの末期における食事の注意点

医師から食事制限の指示があった場合は、従う必要がありますが、大腸がんの場合、食事制限はないことが大半です。

末期になると、抗がん剤の副作用などで味覚が変化するため、味の感じない食事となり生きる力を削いでしまうことがあります。

可能な限り、楽しく食べられる工夫をすることが大切です。

例えば、噛む力が弱くなったら、柔らかく調理する。金属製のスプーンなどで苦味を感じたのなら、プラスチックや木製、陶器製のものに変えてみるなどです。

体調の変化によっても、食事を変化させることも大切です。

下痢をしているときは水分を十分に補給する、腸閉塞のリスクがあるのなら食物繊維の少ないメニューにするなどです。

また、個人の好きな食べ物は、意欲を出しやすい反面、ネガティブに考えてしまうきっかけを与えてしまうこともありますので、可能な範囲で食べるといいでしょう。

大腸癌(大腸がん)手術ができない場合や緩和ケアを勧めらた時の選択肢

大腸の末期がんで、もうこれ以上手術ができないと言われたり、ターミナルケア(終末期ケア)を医師から勧められたのなら、現代医療ではこれ以上がん治療ができなくなったというサインです。

「現代医療で手を尽くしましたが、現代医療ではもう治療することはできません。もうすぐ死ぬから死ぬ準備をしてください」という意味としてもいいでしょう。

しかし、人生を諦める必要はありません。

在宅緩和ケアで訪問医療で大腸癌治療にのぞむ

在宅緩和ケア・訪問医療

在宅看取り(自宅で死にたい)を考えている方にとって、有望な選択肢のひとつで、現在増加傾向にあります。

ホスピスや緩和ケア病棟に入院し、在宅でも対処できる痛みになってから退院し、在宅(訪問医療・訪問介護)に切り替える方法もあります。

しかし、在宅で可能な治療は限られていることもあり、緩和ケア病棟(ホスピス)と似たような形での医療と介護となる可能性が高く、大腸の末期がんが治癒するとは考えられません。

緩和ケア病棟へ入院して治療にのぞむ

緩和ケア病棟へ入院して治療にのぞむ

大腸がん治療を諦め、意識を保ったまま人生の最後を幸せに過ごしたいのなら、緩和ケア病棟(ホスピス)への入院がおすすめです。

人生の最後を苦痛なく尊厳をもって迎えられるようにするのが緩和ケア病棟の役割ですから、積極的な治療や延命措置はせず、余命を如何にして過ごすのかということがメインとなります。

とはいえ、大腸の末期がんで緩和ケアを受けずに過ごすのは、非常に痛みが強く辛い最後(痛みと苦しみの絶望の中、亡くなる)を迎えることになりますから、緩和ケア病棟への入院も選択肢のひとつとして考えておきましょう。

>あなたや家族が緩和ケア・ホスピスをすすめられた時の対処法と検討すべきこと

現代医療以外で統合医療も組み合わせて大腸癌治療にのぞむ

現代医療以外で統合医療も組み合わせて大腸癌治療にのぞむ

大腸の末期がんで、緩和ケアを勧められても治る唯一の可能性が、統合医療です。

大腸の末期がんでターミナルケア(終末期ケア)を医師から勧められたのなら、現代医療ではがん治療が不可能という意味ですが、がん治療を諦める必要は全くありません。

視点を広げた統合医療であれば治療する方法があるのに、現代医療(保険)では治療できないと統合医療を知らない医師が勝手に判断しただけです。

残念なことに、現代医療では施しようがない末期がんに対しての現代医療以外に対しての知見が乏しい、言葉を選ばず言うならば保健医療しか知らない医師に「これ以上の大腸癌治療は不可」と判断されると、医師の権威性や医師に従うべきという心理が働き多くの方は諦めてしまいます。

統合医療を組み合わせれば治る可能性のある末期の大腸がんであっても方法を知らずに、がんの治療を諦めて死を待つのは、誤った選択といっていいでしょう。

>末期がんも治る時代。末期がんで余命宣告されてから治る事例も多数

もし自分や家族が大腸癌(大腸がん)になった時の対処方法とは?大腸癌に関するご相談、不安に関するご相談を受け付けております。

一般社団法人日本がん難病サポート協会では、大腸の末期がんで治療法の選択に悩んでいる方、抗がん剤を使用したくない方に対してのご相談を受け付けております。自分に合ったがん治療に対する向き合い方や治療法に出会うお手伝いを全力でサポートさせていただきます。

大腸癌(大腸がん)に関するよくある質問

Q1:大腸がんステージ4からでも治りますか?

A1:ステージ4であっても大腸がんが治らないと断言することはできず、治る可能性があります。

しかし、一般的な治療法だけでは、なかなか完治することは難しく、医師も諦めてしまっているとハードルが高くなります。

一番大切なのは、ステージ4や末期がんであっても「がん治療を一緒になって諦めない」医師を探すことかもしれません。

医療は日進月歩です。

統合医療を採用するなど、視線を広げれば治る確立も高くなってきます。

Q2:大腸がんの末期症状で手術できないと言われました。どうしたら良いでしょうか?

A2:一般的には、抗がん剤などの薬物療法や放射線治療が選択されます。

保険適応外(自由診療)となりますが、統合医療による治療などがあり一定の成果を上げています。

大腸がんの末期となると、保険適応の治療だけでは完治を目指すのは、非常に難しいのですが、統合医療に切り替えるか、統合医療と併用することで、末期がんであっても完治を目指すことが可能です。

Q3:大腸がんのステージ4の末期から完治できる確率はどのくらいですか?

A3:具体的な数値のデータはありませんが、大腸がんのステージ4末期から完治できた確率は非常に低いですが、ゼロではありません。

プライバシーを守るために具体的なことはお伝えできませんが、末期がんから完治したという事例は多数ございます。

なお、大腸癌研究会の調べによると、ステージ4(Ⅳ期)の5年生存率は、結腸がんで19.9%、直腸がんで14.8%です。

Q4:大腸がんの手遅れの症状は?

A4:大腸がんが手遅れとなる症状は、全身への転移です。

大腸がんの自覚症状は少なく、末期になって初めて自覚できたという方もいらっしゃいます。

また、下痢や便秘など胃腸炎などの大腸がん以外の病気の症状と同じこともあり、早期発見するには定期的な検査が重要です。

大腸がんが手遅れの状態で見つかったとしても、諦める必要はありません。

がん治療は諦めないことが全てです。

Q5:ステージ4の大腸がん末期の生存率、余命は?

A5:大腸癌研究会の調べによると、ステージ4(Ⅳ期)の5年生存率は、結腸がんで19.9%、直腸がんで14.8%です。

なお、ステージ4には末期がんも含まれますが、ステージ4の全てが末期がんではありません。

厚生労働省では、末期がんを「悪性新生物(がん)であると診断され、治癒を目指した治療に反応せず、 進行性かつ治癒困難な状態にあるもの」と定義しています。

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